社会保険 平成19年1月以降の給与計算実務の改正点
取り上げる改正点は下記の項目です。
1.定率減税の廃止及び国税から地方税への税源移譲に伴う源泉徴収税額表の改正
| 平成19年1月以降
|
2.医療保険制度改正に伴う健康保険・厚生年金保険料額表の変更
| 平成19年4月以降
|
3.雇用保険料率の引き下げ
| 平成19年4月以降
|
4.厚生年金保険料率の引上げ
| 平成19年9月以降
|
1.定率減税の廃止及び国税から地方税への税源移譲に伴う源泉徴収税額表の改正
平成19年分以降の所得税について、定率減税が廃止されました。さらに税率が見直され、税率構造が4段階から6段階に変更されました。これに伴い、平成19年1月以降に支払う、毎月の給与や賞与から源泉徴収する際に用いる「所得税源泉徴収税額表(月額表)」が、改正内容を織り込んだものに変更されます。
http://www.nta.go.jp/category/pamph/gensen/5276/01.htm
2.医療保険制度改正に伴う健康保険・厚生年金保険料額表の変更
医療保険制度改正に伴い、健康保険の標準報酬月額が、平成19年4月より「第1級(98,000円)〜第39級(980,000円)の全39等級」から「第1級(58,000円)〜第47級(1,210,000円)の全47等級」に改正されます。
なお、厚生年金保険の標準報酬月額等級は、これまでどおり「第1級(98,000円)〜第30級(620,000円)」の全30等級で変更はありません。
なお、健康保険組合に加入されている方の介護保険料率は、加入されている健康保険組合によって異なります。
政府管掌健康保険の介護保険料率は、これまでと変わらず1.23%です。
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/ryogaku1904/ryogaku01.pdf
○平成19年4月1日から、年金制度の一部が変わります。
1)70歳以上の方も、会社にお勤めの場合には、老齢厚生年金の全額または一部の額が支給停止となる場合があります。
2)65歳時点で年金を受ける必要のない方は、老齢厚生年金を66歳以降に増額して受けられるようになります。
3)遺族厚生年金制度が見直されます。
4)離婚時の厚生年金の分割制度が導入されます。
5)御本人からの申出により、年金を受け取らないことができます。
6)国民年金の保険料額が改定されます。
http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/n2007/henko.htm
3.雇用保険料率の引き下げ
新しい雇用保険料率は、改正雇用保険法の平成18年度内成立がなされず、4月以降にずれ込みましたので、4月1日にさかのぼって適用されることになります。
(年度更新事務の期限は毎年5月20日でしたが、今年は申告・納付期限が6月11日(月)まで延長されました。)
雇用保険料率表(平成19年4月〜)
事業の種類 |
事業主負担分+被保険者負担分=雇用保険料率 | (平成19年3月31日まで) |
一般の事業 |
9/1000 + 6/1000 = 15/1000 | 11.5/1000 + 8/1000 = 19.5/1000 |
農林水産・清酒製造業 |
10/1000 + 7/1000 = 17/1000 | 12.5/1000 + 9/1000 = 21.5/1000 |
建設業 |
11/1000 + 7/1000 = 18/1000 | 13.5/1000 + 9/1000 = 22.5/1000 |
保険料の額は、賃金額に上記の被保険者負担分の保険料率を乗じて計算します。なお、事業者負担分には雇用保険三事業の保険料率も含まれるため、被保険者負担分に比べ割高となっています。
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/koyouhokenryoritu/index.html
4.厚生年金保険料率の引上げ
厚生年金保険料は、平成17年以降、毎年9月分(10月の給与からの控除分)から引上げられることになっています。平成19年9月分以降は、1000分の149.96(被保険者負担分は1000分の74.98)となります。
(8月中頃までに保険料額表の公表予定)
http://www.sia.go.jp/seido/iryo/
|