法人の総務
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中小会計

  新会社法で何が変わった?

中小企業庁 : 「新会社法
日本監査役協会 : 会社法における中小会社の実務対応
日本公証人連合会 : 定款認証(新制度)定款記載例
法令データ提供システム : 「会社法」


法務省民事局 > 登記 − 商業・法人登記 − おしらせ

・「株主リスト」が登記の添付書面となりました(平成28年10月1日から)。  (株主リストQ&A

・「株式会社のみなさまへ 役員の変更の登記を忘れていませんか? 」 平成28年5月で会社法施行後10年を迎えます。
 役員の本人確認証明書について / 代表取締役等の辞任届について / 役員の氏名の旧姓併記について / 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定めについて


◎ 会社法の一部を改正する法律が平成26年6月20日に国会において成立し、平成26年改正会社法が平成27年5月1日より施行されました。企業統治のあり方、親子会社の規律など、法整備が深まりました。
 新たに創設された「監査等委員会設置会社」の特徴は、次のとおり。
1.監査等委員会の構成員である監査等委員は取締役であるため、取締役会における決議事項について議決権を有する。
2.2名以上の社外取締役を置く必要がある一方、監査役を置く必要がない(選任不可)ことから、社外監査役に加えて社外取締役を置く重複感・負担感がない。
3.指名委員会や報酬委員会を置く必要がないことから、取締役(業務執行者を含む)自らが取締役候補者の指名や取締役の報酬に関する決議に参加することができる。


会社法施行規則等の一部を改正する省令が4月14日に公布。
会社法施行日政令が3月29日に公布、「会社法の施行期日は、平成18年5月1日とする」。

平成18年2月7日、「会社法施行規則」、「会社計算規則」及び「電子公告規則」が公布されました。

[ 会社法における子会社 ]
今回の改正で、子会社の定義は、旧商法の形式的なものから、証券取引法と同様の実質的なものに変わっています。
新会社法における子会社とは、会社の財務と事業の方針の決定を他の会社に支配されている会社をいいます。
具体的に会社法施行規則で定められた「財務及び事業の方針の決定を支配している場合」とは、次の三つです。
1.議決権のうち、過半数が親会社の計算(他人名義も含む)において所有している場合(規則3条3項1号)
2.議決権のうち、40%以上が親会社の計算(他人名義も含む)において所有している場合で、次のイ〜ホのいずれかに当たる場合(規則3条3項2号)
 イ.議決権のうち過半数が、親会社の計算での所有、親会社と取引等で緊密な関係にある会社の所有、親会社と同じように議決権行使することに同意している者の所有であること。
 ロ.子会社の取締役会等の機関のメンバーの過半数が、親会社の現在又は過去の役員、業務執行社員、使用人であること。
 ハ.親会社が子会社の重要な財務及び事業の方針の決定を支配する契約があること。
 ニ.子会社の資金のうち過半数が親会社の融資であること。
 ホ.そのほか親会社が子会社の財務及び事業の方針の決定を支配していると推測される事実があること。
3.議決権のうち過半数が、親会社の計算での所有、親会社と取引等で緊密な関係にある会社の所有、親会社と同じように議決権行使することに同意している者の所有である場合で、前述のロ〜ハのいずれかに該当する場合(規則3条3項3号)
ただし、上記三つの場合にあたっても、民事再生手続、会社更生手続、破産手続、その他これに準じる手続中で、有効な支配従属関係がない場合と、特定目的会社(証券所有者に利益を享受させることが目的で、適切に事業の執行がされている場合)は除かれます。

会社法制の新旧対照
新旧対照項目 旧(施行前)
商法第2編会社・有限会社法・商法特例法
新(施行後)
「会社法」
有限会社法は廃止
設立できる会社 株式会社、有限会社、合名会社、合資会社 株式会社、合名会社、合資会社、合同会社(日本版LLC)
最低資本金規制 株式会社:1000万円以上
有限会社: 300万円以上
制限なし
発起設立の払込金保管証明書 必要 銀行等の残高証明でよい
会社の機関設計 (基本的な形態)
株式会社: 株主総会+取締役会+監査役
有限会社: 社員総会+取締役会(+監査役)
株式譲渡制限会社では、取締役会の設置が任意になる。
株主総会+取締役(最低1名)も可、 その他
取締役・監査役の
人数・任期
取締役 株式会社:3人以上、任期2年
有限会社:1人以上、任期なし
3人以上、任期2年が原則
株式譲渡制限会社は1人以上で、任期は最長10年まで延長可
監査役 株式会社:1人以上、任期4年
有限会社:設置は任意、設置した場合は任期なし
1人以上、任期4年が原則
株式譲渡制限会社は設置は任意、任期は最長10年まで延長可
会計参与  −  新設、 任期2年が原則
(すべての株式会社に設置可能)
会計監査人制度 株式会社: あり(大会社は強制、中会社は任意)
有限会社: なし
あり
(大会社は強制、それ以外は任意)
決算公告 株式会社: 義務あり
有限会社: 義務なし
義務あり
株主総会で決定できる事項 株式会社:法令や定款で決められた事項
有限会社:すべての事項
取締役会を置かない会社:
すべての事項が決定できるように規制を緩和(株主総会の権限強化)
株式総会の
招集
招集通知の発送 会日の2週間前 取締役会を置かない会社:
会日の1週間前(定款で短縮可能)
招集通知の手段 書面または電磁的方法 取締役会を置かない会社:
書面等以外の方法でも可能
招集通知の形式 会議の目的事項を記載
定時株主総会については計算書類を添付
取締役会を置かない会社:
会議の目的事項の記載不要、計算書類等の添付も不要
取締役決議のみの簡易合併
(株主総会決議なし)
存続会社:発行済み株式総数の5%以下
存続会社以外:純資産の2%以下
存続会社:発行済み株式総数の20%以下
存続会社以外:純資産の20%以下
合併の対価支払方法(施行は1年先送り2007年に) 存続会社が消滅会社の株主に存続会社の株式を交付(一部交付金) 存続会社株式交付のほか、
現金のみの交付、親会社株式の交付(三角合併)も可
 ・  新「会社法」施行後も有限会社のまま存続することも可(特例有限会社)
 ・  施行後に株式会社へ移行することも可

会社の機関設計
(大会社以外の)その他の会社
中小会社(非大会社)が選択可能な会社の機関設計
(資本金5億円未満かつ負債200億円未満)
大会社
(資本金5億円以上または負債200億円以上)
会社の機関設計の種類(例) 譲渡制限会社
(非公開会社)
公開
会社
備考 譲渡制
限会社
公開
会社
1)株主総会取締役 × 有限会社で認められていた × ×
2)株主総会+取締役+監査役(※1) (※1) × × ×
3)株主総会+取締役+監査役+会計監査人 × 新しい会社法で認められた ×
4)株主総会+取締役会(※2)会計参与(※3) × × ×
5)株主総会+取締役会+監査役(※1) (※1) 株式会社で認められていた × ×
6)株主総会+取締役会+監査役会(※4) 新しい会社法で認められた × ×
7)株主総会+取締役会+監査役+会計監査人 ×
8)株主総会+取締役会+監査役会+会計監査人 株式会社の大中会社にのみ認められていた
9)株主総会+取締役会+指名委員会等(3委員会)+会計監査人
10)株主総会+取締役会+監査等委員会+会計監査人 平成26年改正法で認められた

・  非公開会社とは、1)定款で 2)すべての株式の内容として 3)譲渡による当該株式の取得について会社の承認を要する旨を定めている会社のことで、会社の承認がなければ株式を譲渡できないように制限している会社を指します。
公開会社というと一般的には上場会社のことを意味しますが、会社法の定義では、全部又は一部の株式の譲渡制限を行っていない会社を公開会社としており(法2条1項5号)、種類株を発行している会社(種類株式発行会社)では、一部の種類株にのみ譲渡制限を付した場合も公開会社となります。

※1 定款で監査役の権限を会計に関する事項に限定することも可能。新「会社法」では、「定款の重要性」が高まりました。
※2 取締役会設置会社は取締役3名以上。
※3 会計参与は原則いずれの機関設計にも任意に設置可能。
※4 監査役会設置会社は監査役3名以上、そのうち過半数以上は社外監査役。

[ 会計参与 ]
@ 役割/ 取締役と共同して決算書等の計算書を作成し、株主総会で必要に応じて計算書類について説明する。
A 資格/ 税理士、税理士法人、公認会計士、監査法人。
B 兼業の禁止/ 当該株式会社またはその子会社の取締役、執行役、監査役、会計監査人または支配人、その他使用人を兼ねることはできない。
C 選任方法など/ 株主総会で選任し、その任期や報酬については取締役と同様の規律に従う。選任は登記事項。

大会社とは
「最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が五億円以上(資本金基準)又は,最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上(負債基準)である株式会社」。 大会社は、大会社以外の会社と比べて次の5つの義務を負う。
1 会計監査人の設置義務(328条)
2 監査役会又は委員会の設置義務(328条。ただし,公開会社に限る。)
3 内部統制システムの決定義務(348条3項5号,362条5項)
4 貸借対照表のほか、損益計算書についても公告義務(440条1項)
5 連結計算書類の作成義務(ただし、有価証券報告書提出会社に限る。444条3項)

[ 意思決定機関の解釈 ]
「株式会社は・・」という主語がある場合の株式会社の意思決定機関は次のとおり。
1 取締役1名 →当該取締役(348条1項)
2 取締役複数の非取締役会設置会社 →原則 取締役の過半数(348条2項)
 例外1. 定款で定めた場合(348条2項)
   2. 取締役の過半数で、各取締役に委任した場合(348条3項)
3 取締役会設置会社で非委員会設置会社 →原則 取締役会(362条2項1号)
 例外1. 定款で株主総会の決議事項とした場合(295条2項)
   2. 取締役会で取締役に委任した場合(362条4項)
4 委員会設置会社 →原則 取締役会(416条1項)
 例外1. 定款で株主総会の決議事項とした場合(295条2項)
   2. 取締役会が執行役に委任した場合(416条4項)
以上の原則的な取扱いに対し、「取締役会設置会社においては、・・・取締役会の決議によらなければならない。」というパターンの条文は、上記3の例外2(取締役会で取締役に委任すること)を許さないという趣旨の規定です。
つまり、必ず取締役会で定めなければいけない、取締役会が取締役や執行役に決めさせてはいけないということ。取締役会による取締役・執行役への委任を許さないという趣旨の規定としては、362条4項各号・416条4項各号もあります。
「取締役会の決議によらなければならない」というような規定が置かれていない場合には、原則は取締役会ですが、取締役会が取締役に委任してよいということを表しています。


その他の事項

定款で相続等による移転についても会社の承認が必要と定めることもできるようになり、相続や合併の際にも会社の承認が必要という規制が有効となります。

株式譲渡制限会社において、議決権制限株式の発行上限は2分の1との規制がありましたが、これは撤廃されました。

株主に対する剰余金分配を期中のいつでも株主総会の決議でできるようになります。ただし、純資産が300万円未満の場合は、債権者保護のため分配ができません。

株券は原則不発行になり、定款に定めがある場合にのみ発行できるとされています。ただし、株式譲渡制限会社においては、定款に株券発行を定めていても、株主から請求があるまでは、株券を発行しなくてもよいことになります。

株主には単独での議案提案権が認められます。

株主総会開催場所は、本店所在地またはその隣接地」という制限が廃止され、任意に決められます。

類似商号の規制が撤廃。他の会社と同一住所、同一商号の登記はできません。
→競争防止法等に基づいて誤認をまねいている客観的事実を訴訟で立証!
会社の目的に関わる表現も審査が緩やかになり、包括的な記載も認められます。

現物出資の総額が500万円を超えないときは検査役の調査は不要。

設立後の新株発行増資に銀行等での残高証明でよい。

募集設立は払込金保管証明が必要。

商法の総則と新「会社法」の双方に、「商人は、適時に、正確な商業帳簿(会計帳簿および貸借対照表)を作成しなければならない」と明文化されました。
裁判所の職権で、訴訟の当事者に商業帳簿の提出を求めることができる、とされました。


<参考>

平成17年7月26日 会社法制定公布(法律第86号)(法務省)

【法律概要】
1 趣旨
 会社の設立、組織、運営及び管理については、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、この法律の定めるところによるとされた。(1条)
2 総則
 会社に関する総則的事項として、この法律における用語の定義、法人格、住所、商行為、会社の商号、会社の使用人等、事業の譲渡をした場合の競業の禁止等に関する規定が設けられた。(2条〜24条)
3 株式会社
 @株式会社の設立について、定款の作成、出資、設立時役員等の選任及び解任、設立時取締役等による調査、設立時代表取締役等の選定等、株式会社の成立、発起人等の責任、募集による設立、定款の変更、設立手続等の特則等に関する規定が設けられた。(25条〜103条)
 A株式会社の株式について、株主名簿、株式の譲渡等、株式会社による自己の株式の取得、株式の併合等、単元株式数、株主に対する通知の省略等、募集株式の発行等、株券等に関する規定が設けられた。(104条〜235条)
 B株式会社の新株予約権について、新株予約権の発行、新株予約権原簿、新株予約権の譲渡等、株式会社による自己の新株予約権の取得、新株予約権無償割当て、新株予約権の行使、新株予約権に係る証券等に関する規定が設けられた。(236条〜294条)
 C株式会社の機関について、株主総会及び種類株主総会、株主総会以外の機関の設置、役員及び会計監査人の選任及び解任、取締役、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、委員会及び執行役、役員等の損害賠償責任に関する規定が設けられた。(295条〜430条)
 D株式会社の計算等について、会計の原則、会計帳簿等、資本金の額等、剰余金の配当、剰余金の配当等を決定する機関の特則、剰余金の配当等に関する責任等に関する規定が設けられた。(431条〜465条)
 E株式会社の定款の変更に関する規定が設けられた。(466条)
 F株式会社の事業の譲渡等に関する規定が設けられた。(467条〜470条)
 G株式会社の解散に関する規定が設けられた。(471条〜474条)
 H株式会社の清算について、清算の開始、清算株式会社の機関、財産目録等、債務の弁済等、残余財産の分配、清算事務の終了等、帳簿資料の保存等に関する規定を、株式会社の特別清算について、特別清算の開始、裁判所による監督及び調査、清算人、監督委員、調査委員、清算株式会社の行為の制限等、清算の監督上必要な裁判所の処分等、債権者集会、協定、特別清算の終了に関する規定が設けられた。(475条〜574条)
4 持分会社
 @持分会社の設立について、定款の作成、定款の記載又は記録事項、合同会社の設立時の出資の履行、持分会社の成立に関する規定が設けられた。(575条〜579条)
 A持分会社の社員について、社員の責任等、持分の譲渡等、誤認行為の責任に関する規定が設けられた。(580条〜589条)
 B持分会社の管理について、業務を執行する社員、業務を執行する社員の職務を代行する者等に関する規定が設けられた。(590条〜603条)
 C持分会社の社員の加入及び退社に関する規定が設けられた。(604条〜613条)
 D持分会社の計算等について、会計の原則、会計帳簿、計算書類、資本金の額の減少、利益の配当、出資の払戻し、合同会社の計算等に関する特則に関する規定が設けられた。(614条〜636条)
 E持分会社の定款の変更に関する規定が設けられた。(637条〜640条)
 F持分会社の解散に関する規定が設けられた。(641条〜643条)
 G持分会社の清算について、清算の開始、清算人、財産目録等、債務の弁済等、残余財産の分配、清算事務の終了等、任意清算、帳簿資料の保存、社員の責任の消滅時効、適用除外等に関する規定が設けられた。(644条〜675条)
5 社債
 社債について、募集社債に関する事項の決定、募集社債の割当て、社債原簿等の総則的事項、社債管理者、社債権者集会に関する規定が設けられた。(676条〜742条)
6 組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転
 @組織変更について、株式会社の組織変更、持分会社の組織変更等に関する規定が設けられた。(743条〜747条)
 A合併について、吸収合併、新設合併等に関する規定が設けられた。(748条〜756条)
 B会社分割について、吸収分割、新設分割に関する規定が設けられた。(757条〜766条)
 C株式交換及び株式移転に関する規定が設けられた。(767条〜774条)
 D組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転の手続に関する規定が設けられた。(775条〜816条)
7 外国会社
 外国会社に関する規定が設けられた。(817条〜823条)
8 雑則
 会社の解散命令等、訴訟、非訟、登記、公告に関する規定が設けられた。(824条〜959条)
9 罰則
 会社に関する罰則について規定が設けられた。(960条〜979条)
10 その他
 この法律の制定に伴う所要の経過措置が講じられた。(附則2項〜4項)

【施行日】
公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行。


※※登記関係※※

同じく、「会社法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(整備法)」も会社法の施行日に施行され、登記関係に変更が生じます。

1.必要な登記変更は、ほとんど登記官の職権で行われる予定です。
1)共同代表(代理)制度は廃止され、登記事項ではなくなります。
現在共同代表取締役、共同代表執行役、共同支配人として登記されている会社についても、会社法施行日以降は登記事項ではなくなります。

2)支店所在地の登記所には、索引的な登記事項である商号、本店及び支店所在地のみを登記することとされます。
施行日に現にある支店の登記所の登記簿についても、登記事項は同様となります。

3)支配人の登記はすべて本店の登記所の登記簿に記録することとされます。
施行日に現にある支配人の登記についても、本店の登記所の登記簿に移されることとなります。また、当該支配人が印鑑を提出していた場合には、その印鑑に係る記録も同様に本店の登記簿に移されます。
なお、現在発行されている印鑑カードや商業登記に基づく電子認証制度により発行された電子証明書は、引き続き使用することができます。

4)有限会社という会社類型はなくなり、施行日に現にある有限会社は、株式会社として存続することになります(この会社を「特例有限会社」という)。
「有限会社の定款」、「社員」、「持分」及び「出資1口」は、それぞれ「株式会社の定款」、「株主」、「株式」及び「1株」とされ、有限会社の資本の総額を出資1口の金額で除した数が株式会社の発行可能株式総数及び発行済株式の総数となります。

※ 発行可能株式総数及び発行済株式の総数の例
施行日前・・資本の総額(3百万円)、出資1口の金額(1千円)→ → 施行日後・・資本金の額(3百万円)、発行可能株式総数(3千株)、発行済株式の総数(3千株)


※会社法施行後、自動的に登記されるもの※
@ 取締役会設置会社の定め
A 監査役設置会社の定め

株式会社は旧商法では、取締役会と最低1名の監査役を設置選任しなければなりませんでした。会社法施行後は、株式会社は、取締役会設置会社、監査役設置会社となり、登記事項となります。これについては、登記官が職権により、取締役会設置会社、監査役設置会社として登記します。(整備法113AB)
 第113条(株式会社の登記に関する経過措置)
 旧商法の規定による旧株式会社の登記は、会社法の相当規定による新株式会社の登記とみなす。
 2 第66条第1項前段の規定により存続する株式会社については、施行日に、その本店の所在地において、取締役会設置会社である旨の登記がされたものとみなす。
 3 第66条第1項前段の規定により存続する株式会社(旧株式会社について委員会等設置会社である旨の登記がある場合を除く。)については、施行日に、その本店の所在地において、監査役設置会社である旨の登記がされたものとみなす。

また、定款に取締役会を置く旨、監査役を置く旨の定款の定めがあるものとみなされます。(整備法76A)
 第76条(株式会社の定款の記載等に関する経過措置)
 2 新株式会社(委員会設置会社を除く。)の定款には、取締役会及び監査役を置く旨の定めがあるものとみなす。

B 株券発行会社の定め
会社法では、株券を発行しないことが原則となりました。株券を発行するには、定款にその旨を定める必要があります。(会社法214)
 第214条(株券を発行する旨の定款の定め)
 株式会社は、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨を定款で定めることができる。
実際には、株券が発行されていないとしても、ほとんどの株式会社は株券発行会社ですので、定款に株券を発行しない旨の登記がある場合を除いて、株券発行会社である旨の登記がされたものとみなされ、登記官が職権でこれを登記します。(整備法113C)
 第113条(株式会社の登記に関する経過措置)
 4 第66条第1項前段の規定により存続する株式会社(旧株式会社について株券を発行しない旨の登記がある場合を除く。)については、施行日に、その本店の所在地において、株券発行会社である旨の登記がされたものとみなす。

また、会社の定款には、株券を発行する旨の定めがあるものとみなされます。(整備法76C)
 第76条(株式会社の定款の記載等に関する経過措置)
 4 旧株式会社又は第66条第1項後段に規定する株式会社の定款に株券を発行しない旨の定めがない場合における新株式会社の定款には、その株式(種類株式発行会社にあっては、全部の種類の株式)に係る株券を発行する旨の定めがあるものとみなす。


2.会社が必要なときに登記申請をするケース。
1)最低資本金規制の特例措置として資本の額が1円でも会社の設立が許容されてる確認会社は、設立の日から5年以内に1000万円(株式会社の場合。有限会社の場合には300万円)に増資する必要があり、その登記がされないと解散することを定款に定め、その旨を解散の事由として登記簿に記録されています。
このため、定款の定めを取締役会等の決議で変更し、解散の事由の登記を抹消する登記申請をすることにより、会社を存続させることができることとなります(整備法第448条)。

2)特例有限会社から通常の株式会社に移行するためには、商号の変更(○○有限会社→○○株式会社)についての定款の変更を株主総会において決議し、株式会社の設立の登記の申請と特例有限会社の解散の登記の申請を行う必要があります(整備法第45条・第46条)。

3.定款変更は必要ありませんが、施行日から6か月以内に登記申請が必要となるケース。
1)株式会社
(1) 株式の買受け又は消却に関する定款の定め等がある株式会社は、発行する各種類の株式の内容の登記をしなければなりません(整備法第113条第5項)。

(2) 委員会等設置会社を除く「商法特例法上の大会社」、又は「みなし大会社」である株式会社の定款には、監査役会及び会計監査人を置く旨の定めがあるものとみなされるため(整備法第52条)、監査役会設置会社である旨、社外監査役についてその旨、会計監査人設置会社である旨及び会計監査人の氏名又は名称を登記しなければなりません(整備法第61条第3項)。

(3) 委員会等設置会社である株式会社の定款には、会計監査人を置く旨の定めがあるものとみなされるため(整備法第57条)、会計監査人設置会社である旨及び会計監査人の氏名又は名称を登記しなければなりません(整備法第61条第3項)。

※ 「商法特例法上の大会社」とは、資本の額が5億円以上又は最終の貸借対照表の負債の部に計上した金額の合計額が200億円以上の株式会社です。
※ 「みなし大会社」とは、資本の額が1億円を超える株式会社で定款に監査等の特例の適用を受ける旨を定めた株式会社です。

2)有限会社
 会社法施行前に、その定款に有限会社法第39条第1項ただし書(議決権の数又は議決権を行使することができる事項)、第44条(利益の配当)又は第73条(残余財産の分配)の規定による別段の定めがある場合において、その定めが属人的なものでなく、持分に関するものであるときは、これらの定めはそれぞれ会社法第108条第1項第3号、第1号又は第2号に掲げる事項についての定めがある種類の株式とみなされるため(整備法第10条)、この株式の種類、内容及び種類ごとの数を登記しなければなりません(整備法第42条第8項から第10項まで)。









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